白石達也の野球に没頭する日々

白石達也さんは僕の隣りの家に長年住んでおり、家族ともども交流のある80代のおじいさんです。地元球団をこよなく愛するおじいさんで、野球帽にレプリカユニフォームというファッションスタイルが定番の人です。どこに行くにもその格好なので近所でも有名で、もう少し若かった頃は町内の子どもたちに野球を教えたりもしてくれました。僕もその教え子の一人です。
父親が出張で不在のときにはキャッチボールをしてくれたり、野球談義を繰り広げたりといろいろなことを教えてくれました。白石達也さんの子どもは自立して県外にでているので夫婦みずいらずで暮らしており、僕のことを息子のようにかわいがってくれる人です。
その、白石達也さんの朝の日課といえば、スポーツ新聞と奥さんが用意してくれた水筒を片手に公園へ行くことです。以前に熱中症で倒れそうになったことがあるらしく、最近は外出時に奥さんがお茶を入れて持たせてくれると、なんだか嬉しそうに語っていました。おじいさんは、野球好きはもちろんのこと奥さんのこともとても大切にしている人で、一緒に野球観戦に言ったときには自慢の妻を同じく常連の野球観戦者に紹介しているような陽気でほのぼのとしてしまう人です。奥さんがいるとつい飲みすぎてしまうのか、球場内に売られているビールを飲みすぎることも度々ありました。ですが、なんだか憎めないかわいらしさがあるのです。
そして、朝の日課を終えるとローカル局のニュースのスポーツコーナーを見ながら、昨日の試合について、テレビに語りかけるように独り言をつぶやき、いつものスタイルに着替えて近所の図書館へと出かけていくのです。

白石達也さんは近所の図書館へ一番乗りが基本です。開館前から並び、同じくいつもやってくる同世代のおじいさんやおばあさんと、またもや野球話で盛り上がります。格好が格好だけに、話しかけられる内容も野球のことが多いのも当然です。そして、午前中からお昼過ぎまでは各スポーツ誌をくまなく読んでから帰宅し、奥さんの作ってくれたお昼ご飯を食べると、いつの間にかいびきをかきながら寝ているというのが昼間の過ごし方だと奥さんが語っていました。
しかし、寝ている時間はそう長くなく、平日にホームゲームがあるときには14時過ぎには起き上がって出かけていくというスタイルです。早くからいって練習の様子から見るというのがお気に入りと奥さんの手前いっていますが、本当は若いファンの子達との交流を楽しみにしている白石達也さんです。どうも、どうもといいながら定位置に陣取るのが当たり前で、周囲の人も見慣れた光景だとあたたかい目でみています。話しかけてくる若い人も多く、僕も一緒に球場に足を運んだ時にはいつの間に覚えたのか、スマホを使いこなせるようになっていました。僕には教えてくれなかったけど、アカウントを作成し若いファンの子たちとSNSを通じて交流を深めている一面もあるようです。
球場に早くから足を運ぶファンはお気に入りの選手などがいて、結構、本格的なカメラを片手に写真をとってはSNSにアップするというのが日課という人も多いので、白石達也さんはその一員となったり、写真をみたりと野球のない日やアウェイの試合のときは楽しんでいます。
しかし、本人がスマホでおさめたという写真を見せてもらうと、なぜか本人のアップ写真や、何を撮ったかわからないというものが多く写真の技術はまだまだというおちゃめな一面もある人です。

白石達也さんは野球観戦中はビールを片手に若い子同様に応援もします。そんなに飲みすぎてなくても、頬が赤くなるのですがその顔がとてもかわいらしい人です。売り子のお姉さんも含めて、いつも周りには人がたくさんいて、野球がきっかけではあるけれどそれ以上の輪が広がっています。それも、白石達也さんの人柄や明るい性格が大きく関係しているんだと長年一緒にいて感じるものです。
試合は勝ってても負けてても最後まで必ず見て帰る人で、負けたからといって不機嫌になる人でもありません。勝ったら嬉しいけど、勝敗に関係なく野球は楽しいものだと語っています。帰宅するときはタクシーを利用し、運転手がどうでしたと聞くのでテレビの解説並みに一通り熱く語ったうえで、心地よくなったのか家につく前に寝てしまうのがいつものパターンです。
奥さんもよくわかっているので、だいたい家の前で待っています。僕が自宅にいると、試合が終わって1時間から2時間後には家の外がさわがしくなるので、今日も白石達也さんの一日が無事に終わったのだなと感じます。年齢もそうですが、性格もあって僕自身がいつの間にか日常を気にするようになっています。
決してかみなりおやじタイプではなく陽気なおじいさんですが、野球を見に行って負けても怒らないのは中途半端な試合をしていないからだというように、物事に対して一生懸命に取り組まないと怒る人です。僕も実の子ではないのに怒られた経験がありますが、こうした厳しいことも愛情をもって言える人だからこそ人気者なのかもしれません。

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